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別荘の維持・メンテナンスのポイントは「屋根」

別荘は、常に生活する自宅とは違うので、一定期間放置することが多いです。それゆえに久しぶりに行くと、あそこが壊れている、どこが調子悪いというのに気付きます。

その中でもメンテナンスにおいて重要なポイントがいくつかあるので、まとめてみることにしました。

別荘メンテナンスの掟”屋根”

別荘の維持で一番お金がかかるのが、屋根だと思います。

屋根は、様々な機能がありますが特に家にかかる様々な外力を受ける部分なので重要度が高い上に、屋根がダメになることで他の部分も連鎖してダメージを受けるため細かく見ていく必要があります。

まずは、屋根の素材です。

別荘の屋根の素材は建てられた年代によってトレンドがあります。もっとも多く建てられたバブル期の建物は、「ルーフィング葺」が多いです。

このルーフィング葺はルーフィング材と呼ばれる防水シートのようなものを屋根材の下に張り付けたもので、耐用年数が15~20年ほどです。バブル期に建てられたものは築30~40年なので、一度替えていた場合は2度目の張替えの時期に当たります。

張替は屋根の高さや広さにもよりますが、100~200万円の見積もりが多いようです。これは実際に別荘を探している時に業者の方に聞きました。別荘だと、場所によっては出張費など余分な経費を取られることもあるようです。

ルーフィング葺の件数が多いのですが、他にも

  • 亜鉛メッキ鋼板葺(金属の屋根でトタンなどもこれに含まれる)
  • ステンレス板葺
  • スレート葺(セメントを薄く板状にしたようなもの)

などなど。別荘だと瓦葺きをあまり見かけません。

亜鉛メッキ鋼板葺

鋼(はがね)を亜鉛メッキした板材を屋根に使うタイプです。鋼のままだと錆びが発生するので、錆びないように亜鉛をメッキしています。

メリットは以下の三点。

  • 軽量
  • メンテナンス性が比較的良い
  • 低コスト

軽量なので、地震の際にも家屋の構造の負担を軽減することが出来ます。

必要なメンテナンスは、定期的な塗装です。やはり、錆びないようにするためのメンテナンスが必要になってきます。塗装は、張替ほど費用が掛かりませんし、5年~10年に一度行うくらい良いと思います。屋根のサイズや高さ、形状によりますが10~20万円で済みます。

性能的なデメリットとして、防音性がやや低いですが別荘で騒音が気になることはほとんど無いと思うので、大したデメリットにはならないでしょう。

ステンレス板葺

基本的な性能は、亜鉛メッキ鋼板とそこまで変わりませんが、メンテナンスの頻度がより少なくて済む点が挙げられます。

ただし、価格が高いので中古で買う場合は”付いていたらラッキー”、新築で選ぶ場合はメンテナンス代を計算して検討した方が良いと思います。

スレート葺

これは、ストレート=slate=粘板岩を用いた屋根材です。粘板岩と言われてもパッと思い浮かびませんが、簡単言うとセメントベースの板材です。

瓦に比べると軽いため、阪神淡路大震災以降の建物で盛んに施工された素材です。

メリットは、価格の安さと色の自由度の高さでしょう。別荘地では、色彩規定があるところがほとんどで、明るい色や派手な色は使えない場合もあります。スレートなら、どんな色でも作れるのでデザイン性に優れています。

一方で、割れた場合に雨漏りに直結するというデメリットも無視できません。「割れるのは劣化だから仕方ない」と思うかもしれませんが、別荘、特に森の中の別荘だと強風により枝が当たることが良くあります。

折れた枝が落ちてきたり飛んでくることもあります。運が悪ければ、劣化していなくても損傷する可能性もあるので、別荘の周りの木の生え方や、傾斜まで見たうえで、屋根の素材が適切かどうかを判断する必要が出てくるでしょう。

屋根材以外の注意点

別荘の屋根のメンテナンスにおいて、もっとも重要なのは素材ですが、その次に重要なのが環境です。

環境に適していない屋根材を選択していると、劣化が早くなったりメンテナンスコストが高くなったりしていまいます。

色々な物件を見学すると、あることに気が付きます。それは、屋根に溜まる葉と、苔です。葉は周りの樹種、苔は湿度に影響されます。

湿度に関しては方角や日当たり、標高によって左右されます。樹種に関しても、自然林なら標高や緯度によって変わります。樹種に関しては、以下の記事を参考にしてください。

屋根の形状

もちろん、屋根の形状もメンテナンスコストに影響します。

例えば、亜鉛メッキ鋼板なら、定期的な塗装が必要ですが、塗装しにくい形状をしていると、同じ面積でも高い金額になるケースがあります。これは、足場を組むことが関係しているようです。

また、先に述べたように、葉が溜まりやすい形状になっていると、葉が腐って土になり、水分を多く含むようになるので定期的に掃除しておくと長い目で見れば合理的です。

まとめ

屋根は別荘の維持・メンテナンスにおいて最重要だと考えています。少しでも穴があってはいけませんし、室内と違って常にさらされている部分ですからメンテナンス性や維持費がかかります。

別荘選びの際は、屋根の修繕が必要なのかどうか、いつ修理・補修をしたのかなどを詳しく聞くことをおススメします。

また、屋根修理の業者選びでは、基本的には別荘の管理会社に相談することをおススメします。別荘は僻地にあることも少なくないので、出張費などの余分なコストを見積もられることもあります。さらに、屋根は見えにくいので、悪徳業者が必要のない修繕を押し付けてくることも有ります。

別荘オーナーは狙われやすいですから十分気を付けてください。

この記事を書いた人
八ヶ岳の別荘オーナーです。このメディアが別荘の生の情報を求めている人、別荘が欲しくなるきっかけとなることを願っております。日々、新たなライフスタイルの提案を続けていきます。

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