別荘といえば、全国の人がイメージするのが長野県ではないでしょうか。軽井沢や白馬、八ヶ岳、蓼科がその筆頭と言えます。
長野県には多くの自然が残り、日本アルプスが作る絶景や気候の良さが別荘地開拓に選ばれた理由です。しかし、実はそれだけとも言えない事情があるのも事実。
それは市町村の働きかけです。今回はそんな長野県の中でも町営別荘地事業を何十年も前から行なっている長和町と立科町について特集していきたいと思います。この二つの町を知ることで、別荘地が身近に感じていただければ幸いです。
長野県中部に位置する長和町は、市に属していない独立した町です。
別荘地を抱える地方自治体によくある話ですが「市に併合されずにいられるだけの財源を持っている」と受け取ることもできます。ちなみに今回特集する立科町も長野県北佐久郡立科町なので市に属していません。
長和町は上田市や佐久市と茅野市や諏訪市を繋ぐ街道沿いに位置しています。旧中山道がすぐ近くにあるので古くから宿場町として知られていました。実際今でも和田宿や長久保宿などでは古い家が立ち並んでいます。
長和町の別荘地の歴史は長く学者村別荘地は1968年に造成・分譲が開始されています。今から約55年ほど前に遡ります。建物のサイクルを考えるとこの時期に建設された別荘地はほとんど残っていないことが想像できると思いますが、バブルの時期に別荘地熱は再燃したため、1980年代築の物件が売りに出されることが多いように感じます。
今でこそ2拠点生活やテレワークが注目されていますが、遥か昔にその地盤を築いてきたのです。
長和町営の別荘地は、多くが土地を長和町が所有して30年単位で貸し出す形式になっています。学者村別荘地は所有権のところもあります。
土地だけ貸し出すので、取得の際には土地の不動産取得税がかかりませんし、維持費の面でも固定資産税を払う必要がありません。おそらく固定資産税と同程度の賃料に設定しているとは思いますが、メリットはこれだけでは終わりません。
この土地の賃借形態のメリットが一番大きく出るのは、手放す時です。別荘というマーケットは決して大きくないので、買い手が付かないことがしばしば。そうなると住んでいるわけでもないのに維持管理費だけ徴収されてしまうということになってしまいます。もし売り手が付かない場合は更地にして返還することが出来ます。これは町営にしかないメリットと言えます。
また、土地がそもそも所有権ではないため、売却する際の価格も基本的には建物のみの価格として出されます。つまり再販価格が下がり、入手しやすいお手ごろ物件が増えることに繋がります。ある意味、この事実が知られれば買い手が付きやすくなるというシステムにもなっているのです。
立科町は長和町の隣にある町で、白樺湖で茅野市とも接しています。南北に非常に長い形をしているので、街としては大きく感じますが、実際は幅50mほどの場所があって”かろうじて繋がっている”ような町です。
長和町と似ている部分は多いですが、違いとしては標高です。立科町役場がある場所は標高が700〜800mですが、別荘地は1500m付近に多いので長和町営の別荘地よりも標高が高いのが特徴。
立科町も宿場町として発展した町です。難所である笠取峠東側の芦田宿が今の立科町にあります。
基本的に今の立科町の北側が町で、南側は女神湖や白樺湖がある観光地です。
別荘地は1960年に白樺湖畔に建設されたのを皮切りに増えていきました。白樺湖畔の別荘地は1961年に造成開始。1962年8月より蓼科牧場周辺の別荘地も造成が開始されます。1968年には南平台別荘地が分譲されます。長和町と比べても長い歴史がある別荘地ということになります。
今現在は立科町が管轄する別荘地は12ヶ所あります。
別荘地の土地は長和町と同様に町が所有し貸し付けるスタイルです。メリットは長和町の方で説明した通りです。
別荘地の立地に関しては、標高の高さが最大の特徴。白樺湖、女神湖ともに標高1500m付近に位置しています。白樺湖の周りには白樺湖別荘地、南平台別荘地が、女神湖周辺には女神平別荘地、有楽別荘地、つつじヶ丘別荘地、蓼科牧場周辺には蓼科牧場別荘地などがあります。
管理事務所が別荘地内にないところもあります。
別荘地というと、お高いイメージがあるのは事実ですし、当然社会人1年目から所有できるほど親しみやすいものではありません。
しかし、長和町と立科町の別荘は非常に入手・維持がしやすいと言えます。
土地の所有形態が賃借になることで、取得も維持も楽になります。さらに中古相場も土地がない分下がるので、手ごろな中古別荘を求める人にピッタリです。
別荘を買うことで得られるQOLの向上は凄まじい費用対効果を生みます。500万円〜1000万円で買えると考えるとポルシェを買うくらいの感覚ですが、別荘を手に入れるとさまざまなメリットがあります。
別荘を買うことで得られるメリットは以下の3点だと確信しています。
1点目は、災害があった時に避難する場所としての価値です。これからは何が起こるかわかりません。その時に真っ先に避難できるような場所があると安心です。単純に2拠点あることでさまざまなリスクから逃れることができます。
2点目は想像に難くないでしょう。長和町、立科町は湖、スキー場、トレッキングコース、登山ルート、ゴルフ場などレジャーの宝庫です。他にもヴィーナスラインがすぐ近くを通っているのでドライブやサイクリングも楽しむことが出来ます。子連れなら白樺リゾートも。完全に熟成した観光地な訳です。
3点目が何よりの醍醐味です。この目的のためだけに買うのも十分アリです。長和町、立科町の別荘地は8月でも部屋の温度が25度を超えることは稀です。お盆を過ぎると23度くらいまでしか気温が上がらないので寒いくらいです。軽井沢と比べても気温は低いですから